新患アンケートの頼み方、服薬指導の聞き方

薬局・医薬品

新患の方へのアンケートについて、大事なものですよ!というのを書きました。

じゃあ、実際に薬局の事務や薬剤師がどのような工夫をして依頼をしているのか?を考えてみたいと思います。

80%以上の協力してくれる人への対応

はじめてのご利用ありがとうございます。アンケートをお願いできますか?

いいですよ!

なにも問題ないですね。ほとんどの方が快く引き受けてくれます。

逆にすごく丁寧に書いてくれる方もいて、申し訳なく思うことも。

19%の渋る人への対応

面倒だなぁ…体調も良くないし、あんまり書きたくないな…

体調が悪くて病院に行っていて、病院でも同じ内容の問診表を書かされてきているため、書きたくないなぁ、という雰囲気を感じる方は結構います。

(医薬分業のデメリット、オンライン資格確認などで今後対応できると本当にいいのですが…)

とは言っても、副作用などなく薬を使ってもらうために必要な項目も多数あります。

「ぱっと目を通して頂いて、該当する項目がなければ飛ばして頂いて構いませんよ」

と、伝えています。

  • アレルギー
  • 副作用歴
  • 服用している薬
  • 既往歴(今までかかったことのある病気)

この辺りって、一つも該当するものがない方も多いですよね。

すべてに回答しなければならない

となると、やっぱり面倒に感じてしまうものです。

機会があれば別に記事にしますが、薬剤師目線だと

  • 既往歴や年齢・性別から禁忌(必ず避けなければいけない事項)に該当していないか
  • 併用薬との相互作用(飲み合せ)の影響があるか、あったとしてどの程度影響があるか
  • 処方医の診断と処方内容が合致しているか、違和感がないか

このようなところを確認したいのであって、例えば

  • 花粉症があります
  • ハウスダストのアレルギーがあります
  • 甲殻類を食べると蕁麻疹がでます
  • 牛乳を飲むと下痢をします

このような項目はあくまで補助的な意味合いが強く、よほどのことでなければ無回答であったとしても問題になることはありません。

お薬手帳があればある程度推測できることもありますし、服薬指導の際に確認必要なことがあればどちらにしても別にお聞きしますので、全項目必要なわけではないですね。

1%の拒否する方への対応

なんで書かなきゃいけないの?医者に伝えてるんだからわざわざ薬局でも書かなきゃいけないなんて事はないので、書きません!

基本的に拒否のスタンスを取られた場合、重ねてお願いしたところで書いてくれる可能性はほぼ0%

記入してくれたとしてもすべての項目が「なし」になっていたり、ほぼ未記入で返却

こういった方へは

薬のお知らせなどが必要になることもあるので、連絡先だけでよいのでお願いします」

と、お願いしています。

そもそも問診票の記載事項の大半が

  • 調剤前に確認できるとスムーズに疑義紹介などに繋げられる
  • 相互作用の確認などが調剤と並行して進めることができる
  • 生活習慣(飲酒や喫煙、運転の有無や頻度)などから、変更が必要な薬のチェックができたり、薬の服用が必要な背景が想像できる
  • マーケティング(どのような患者層が来局しているかなど、企業別の事項)に活用できる

口頭で確認もできるが先に教えてくれると助かるなぁと言うものと、あとはぶっちゃけ情報収集目的があることは否定できません。

ただ、連絡先については保険関係での確認事項や、調剤後の医薬品の回収情報などの発生時に速やかに対応する必要があること、万が一過誤などの発生が判明した場合など、適切な対応を行うためにほぼ必ず必要な情報となるので、必ず確認しておきたいポイントです。

服薬指導でもそうですが、絶対に確認したいポイントを1つ2つに絞って確認することはとても大切ですよね。

また、国保の場合や医療証がある場合には、そちらに住所の記載がありますので、

「現在の住所はこちらのご住所から変わりないでしょうか」

と確認するのも有効です。(国保の住所は変わってしまっていることも結構な頻度でありますが…)

拒否は拒否でも…

同じ拒否でも、

「書かなきゃいけないなら他の薬局行くのでいいです」

という方もまれにいらっしゃいます。

そもそもかかりつけ薬局を作って頂くのも我々薬局の目標の一つなので、こういった方は素直に引き下がっています。(=いつもの薬局に行ってもらう)

また、今までで1度だけこちらからの依頼にも関わらず

アンケートをお願い…「あ、大丈夫です」
薬の使用にあたって…「あ、大丈夫です」
ご住所と連絡先だけでも…「あ、大丈夫です」
ご協力いただけないということでしょうか?「はい」

という、ある意味素敵な人にあたったことがあります。大丈夫ってなんやねん。

服薬指導時に併用薬や副作用歴などがないことをなんとか確認することは出来ましたが…

書いてくれていても…要注意!

さて、問診票に書いていてくれていても注意しなければならないことがあります。

それは

薬局の問診票をただのアンケートだと思っている人が一定数いること

です。

例えば、

  1. 服用している薬に「なし」と回答されていても、手帳を見ると明らかに薬を使用している
  2. 服薬指導の時に飲酒するかの項目が未記載だったが、「酒飲んでもいいよね?」と質問
  3. 薬の副作用は出たことないですね、と確認したら、「子供の頃あったけど、何の薬か忘れた」

こんな経験、薬局にいたら結構当たり前にありますよね。

自分も美容院とかの最初のアンケートとか若干適当に書いてしまうこともありますので、気持ちは分かるんですが、記入する人(薬局でいうと、患者さん)が

まぁ別に大丈夫でしょ

と思うとホントはあるのに面倒で「なし」ってしちゃうんですよね。

こういったポイントを逃さずにチェックするのが大切ですね。

服薬指導の際にこういったポイントを見逃さずにスムーズにできると患者さんから信頼されて、かつスピーディーに仕事ができる薬剤師になれるのではないでしょうか。

服薬指導の仕方についてはまた別にまとめていこうと思います。

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